サルコペニアとは?原因と予防について考える

筋肉のはたらきの低下がサルコペニア

歩くのが極端に遅くなってきたらその疑い

サルコペニアというのは、加齢によって骨格筋量が落ちて、骨格筋力が低下していくことを言います。

もちろん、人間は老化によって、骨格筋量は低下していくものですが、それが体力や機能の低下にまで影響するような大幅な低下に行き着きます。

ようするに、筋力低下の視点から身体機能の低下をながめた言葉だといえそうです。

なぜ、筋肉量は減少するのか

サルコペニアのメカニズムとは

サルコペニアという用語は、Irwin Rosenbergという研究者によって生み出された造語です。

ギリシャ語で筋肉を表す「sarx (sarco:サルコ)」と喪失を表す「penia(ぺニア)」を合わせた言葉だそうです。

筋肉が減少する仕組み

筋肉の量はが維持されているのは、筋タンパクの合成と分解が繰返し行われるからです。

ところが、筋タンパクの合成に必要な因子の減少や、筋タンパクの分解が筋タンパクの合成を上回ってしまうと、筋肉量の減少が進行するんです。

加齢がすすむと、筋肉の増加に関係する性ホルモンの減少が起こります。また、筋肉を働かすために必要な細胞が死んで行きます。

これをアポトーシスといいます。また、細胞のミトコンドリアの機能障害が起こって筋肉のはたらきが低下します。

さらに、使わない筋肉は廃用萎縮します。栄養不良・癌や糖尿病などの消耗性疾患によっても萎縮して、それらが合わさってサルコペニアを発症するそうです。

複合的要因が重なっていく

脳からの指令を筋肉に伝える働きをする運動神経も次第にはたらきが低下します。また、筋肉の増大に関係するホルモンのはたらきも衰えてサルコペニアが起こります。

さまざまな疾患に罹患することで炎症性サイトカイン(筋萎縮)が多くなって、筋タンパクの分解が進んでしまい、サルコペニアの発症につながっていくそうです。

加齢が原因か、それ以外が原因か

サルコペニアの分類

サルコペニアは、加齢が原因で起こる「一次性サルコペニア」と加齢以外にも原因がある「二次性サルコペニア」とに分類されるそうです。

一次性サルコペニア

加齢以外に明らかな原因がないものです。

二次性サルコペニア

加齢以外で、日常生活動作や疾患、栄養状態によっても起こる場合です。

・寝たきりの生活などで活動性が低下してしまい、筋肉の廃用が起こった場合
・癌や虚血性心不全、末期腎不全、内分泌疾患などの疾患によって起こった場合
・栄養の吸収不良や消化管疾患、薬の副作用による食欲不振でタンパク質の摂取不足による場合

いかにしてサルコペニアを防ぐか

サルコペニアの予防法

サルコペニアに陥らないためには次の5つが重要だと言われています。

1.適度な運動

サルコペニアに効果的とされる下肢の運動と体幹部の筋力トレーニングを日々の運動習慣に取り入れることが重要だそうです。

2.バランスのとれた食事

基本は和食で、主食、主菜、副菜の揃った一汁三菜または一汁二菜でメニューを立てるといいと言われています。

炭水化物、たんぱく質、鉄分、ビタミン・ミネラル、食物繊維などをバランスよく摂ることが重要です。

また、間食でたんぱく質やカルシウムを摂れる乳製品やビタミン・食物繊維を摂れる果物をプラスするのが望ましいそうです。

特に、サルコペニア予防にはたんぱく質が重要で、高齢者で1日75g以上は必要だと言われています。

空腹時の運動では筋肉のたんぱく質合成を促すことができないので、食事後30~60分後に運動を行ってから、一時間以内にアミノ酸を摂取すれば、筋肉でタンパク質が合成されるそうです。

また、運動後に摂るアミノ酸は必須アミノ酸のロイシンが有効だといわれていて、ロイシンを手軽に補給できる栄養補助食品や鮭のおにぎりと豆乳などが有効だと言われています。

3.生活習慣の見直し

睡眠不足、閉じこもり、運動不足、不規則な食生活、強いストレス、喫煙、過度の飲酒などの生活習慣は、活動性の低下や低栄養、生活習慣病につながり、サルコペニアの要因になります。

4.積極的な社会活動への参加

仕事や趣味を持つことはとても大切です。また、地域活動・ボランティアなどに積極的に参加することで他者とのコミュニケーションや社会とのつながりが保たれます。

5.慢性疾患の管理

慢性疾患を管理して悪化を予防します。そうすることで心身の健康維持を図ることが大切だといわれています。

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