プール熱の注意点は人のタオルを使わない
感染力が強いアデノウィルス
プール熱は咽頭結膜熱といいます。発熱や咽頭炎、結膜炎などの症状が出ます。とても感染力が強い伝染病です。
プール熱はウイルス性の感染症になり、主な症状としては、のどの奥にある咽頭の炎症や結膜炎、そして発熱などです。
アデノウイルスとよばれるウイルスが原因ですが、プールで感染するケースが多いためにプール熱と呼ばれるようになったそうです。
プールで人のタオルを借りたり、肌を接したり、同じものをさわったりと、子どもには感染の危険がいっぱいです。
プール熱の原因
種類が多いウイルス
プール熱の原因は、アデノウイルスと呼ばれる病原体への感染とされています。アデノウイルスには複数の種類があって、67種類以上の型が発見されているそうです。
プール熱は、このうち、3型と呼ばれるウイルスによるものです。他にも、4型、7型、11型などによる感染も報告されているそうです。
このうち、アデノウイルスの7型は小児に感染すると症状が重くなり、大変なことになると言われています。
感染経路
プール熱の原因となる、アデノウイルスへの感染経路としては、主なものは次の通りです。
1.飛沫感染
感染者の咳やくしゃみなどの飛沫に含まれるウイルスで感染します。
2.接触感染
感染者が使用したタオルや、手などに触れたり、同じものを持ったりして感染します。
3.プールの水を介した感染
ごく稀らしいですが、ウイルスで汚染したプールの水を介して眼の結膜にウイルスが直接侵入するケースもあるそうです。
プール熱の主な症状
一般に重い症状にはならない
プール熱の潜伏期間は3~6日間だそうです。幼児から学童にかけての子どもがかかりやすいといわれています。
潜伏期間を過ぎると、発熱、結膜炎、咽頭炎などを引き起こします。これらの症状が一週間ほど続くといわれています。
3つの症状
1.発熱
プール熱の症状は発熱で始まります。まず、38~40度の高熱が出ます。これに合わせて、頭痛や腹痛、下痢などが見られることも多いそうです。
2.咽頭炎
咽頭とはのどの奥にある部位です。これが炎症を起こすので、のどの粘膜や扁桃腺が腫れたりして、痛くなるのです。
3.結膜炎
目やにが出たり、目が赤く充血したりする症状が出ます。
4.その他の症状
リンパ節が腫れたり、下痢、腹痛などの症状が出る場合もあるそうです。
症状は一般的には1~2週間程度で治まってしまうのがほとんどなんですが、症状が長期化して、合併症につながる場合もあるそうです。
・中耳炎
一番多く見られる合併症です。患者の約半数近くが中耳炎を併発するともいわれているそうです。
・アデノウイルス肺炎
アデノウイルスの7型は肺炎を引き起こし、乳幼児がかかると大変なことになると言われています。
・その他
他にも、頻尿、血尿、膀胱炎、心筋炎といった合併症を引き起こしたりすることもあると言われています。
プール熱の予防方法
予防のポイント
ウイルスとの接触を避ける事が基本です。
・感染者との接触を避ける
・手洗いうがいの励行する
・プールに入る前後にシャワーを使う
・タオルなどの共有をしない
流行時期
通常は、6月頃から増え始め、7~8月頃がピークです。ときには10月頃まで流行が見られることもあります。
ただ、アデノウイルスは1年中活動しているので、夏以外にも流行することがあるといわれています。
治療法
特別な治療法はなく、自然に治ることがほとんどだそうです。ただ、高熱や咽頭痛のために、水分不足になることがあり、幼児では注意したほうがいいでしょう。
結膜炎の症状が強い時は、眼科の治療を受けた方がいい場合もあるので、気をつけましょう。