「正しい答えを求めるだけでは解決しないことが世の中にはゴロゴロしているものだ。わからないこと、解決できないことの方が多いかもしれない。それをわかったふりをすると、今度はそれを誤魔化すためにさらに、知ったかぶりをするしか道がなくなってくる。」
他人と分かり合えるというのは、とても稀なことだと思った方がいいのです。
なぜなら、価値観の違いは、正しいことは何か、という点では大きくずれていくことにつながるのです。
世界を見渡せば、納得できるはずです。
Aという国の正義は、Bという国では悪魔の所業というふうに、解釈は180度違ってきます。
そしてそれが、人を殺めることまでも正当化してしまうのが現実です。
家族でもそれは通じるものがあります。
夫婦でも、お互いの価値観にはズレがあり、正しさの認識にもズレが生じています。
そこをお互いに譲り合って、何とかやりくりをするのが正しい人間関係です。
相手に押し付けたり、暴言で有無を言わせなかったりするのは、修羅の世界です。
相手のことを理解するというのは、相手の正義を否定しないことから始まります。
ずっと、正しいと思ってきたことを頭ごなしに否定したら、うまくいくものもうまくいかなくなるのは当然ではないでしょうか。
人のこと、他の国のこと、わからないことだらけだし、永遠に理解できないこともごまんとあるのです。
それをわかったふりをすることで、どんどん窮地に陥ってしまう、ということも知っておいた方がいいでしょう。