交通事故の後遺症、外から見えない高次脳機能障害でおこる症状とは

せっかく命拾いしても後遺症が残る

外から見えにくいがゆえの苦悩

最近では、globeのボーカルだったKEIKOさんのことがあって、この病名が有名になったとも言えそうです。

KEIKOさんは夫の小室さんが在宅しているときに倒れたので、早期発見できたそうです。病名はくも膜下出血で5時間にもわたる大手術をしました。

手術はうまく行ったのですが、結果として後遺症は残りました。それは、記憶障害ということで、やはり、さまざまな生活における不便や人生設計は大きく変えざるを得なくなるわけです。

高次脳機能障害とは?

脳に何らかの損傷が生じることによって生じる障害のことを言います。記憶障害や注意障害、性格の変化などの形となってあらわれるといわれています。

脳卒中や交通事故などによる脳の損傷が原因になります。脳の機能のうち、言語や記憶、注意、情緒といった認知機能に起こる障害のことをいうわけです。

症状としては、注意が散漫になったり、怒りっぽくなる、記憶が悪くなる、段取りが悪くなる、などです。

高次脳機能障害は、外からは見えないため、その苦しさは他の人にとって伝わりにくく、本人もなかなか障害が受け入れにくいといわれています。

高次脳機能障害の原因

脳そのものが損傷した結果

発症の原因の8割は脳卒中である脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害だといわれています。

それ以外は、次のようなものが原因となっているそうです。

1.脳血管障害

原因の8割をしめる脳卒中である脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などです。

2.外傷性脳損傷

交通事故やスポーツ事故、転倒、転落、労働災害などで脳に損傷を受けて、その後遺症によるものです。

3.その他

低酸素脳症、脳炎、脳腫瘍の後遺症によるものです。また、脳性まひ、発達障害、うつ病、統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病などの病気によって起こることもあるそうです。

高次脳機能障害の症状

生活力に影響する障害

高次脳機能障害では、脳のダメージを受けた部位によって、さまざまな障害が残ってしまいます。

1.記憶障害

記憶には2種類あり、覚える力である記銘力と、思い出す力である想起力です。このうち、高次脳機能障害では、記銘力に影響が出やすいといわれています。

新しいことを覚えることが難しくなり、約束を忘れたり、覚えにくいと、日常生活に支障が出てしまうわけです。

2.注意障害

集中力が低下してしまい、注意散漫になります。落ち着きがなくなります。逆に、ひとつのことに没頭してしまうという症状もあるそうです。

3.半空間無視

空間の半分が認識できなくなる症状です。左側が認識できなくなることが多く、右側ばかりに注意が向くことになるそうです。食事でも、左側だけを食べ残すことが起こります。

4.遂行機能障害

手順や段取りを考えられなくなります。結果、指示されないと行動できないということになり、融通が利かなくなります。

5.社会的行動障害

感情のコントロールができなくなります。イライラしたり、子供っぽくなります。そのため、対人関係がうまくいかなくなるわけです。

また、お金をあるだけ使ってしまったり、疲れやすくなって、気力がなくなります。そして、ひきこもりがちになることもあります。

6.失認症

見えているのに、色、形、物の使い方や名称がわからなくなります。人の顔を見ても誰だかわからないのに、声を聞くとわかるといった症状です。

7.失語症

言語に関する能力に障害が生じます。そして、話す、書く、聞く、読むなどの行為が困難になります。

8.失行症

日常生活における何気ない動作ができなくなります。わかっていても、実際の行動が起こせなくなります。

高次脳機能障害への対応

家族やまわりの人の負担は計り知れない

最終的には、本人ではどうにもならない問題が起こります。これはまわりの人が支えていくことで、日常生活を送ることも可能になる場合が多いと言われています。

1.記憶障害

本人にメモを取る習慣をつけさせます。また、できる限り生活を習慣化していきます。

2.注意障害

静かな環境で生活させます。疲れやすかったり、集中力が保ちづらくなっているので、休息をしっかり取ります。

3.遂行機能障害

繰り返すことで習熟させます。マニュアルを用意したり、行動をパターン化します。家族から期待されていることを実感させます。

4.社会的行動障害

問題行動が起こったときに、本人と一緒に、何が問題なのか、どうすればいいのか、考えます。

5.その他

コミュニケーション障害や病識欠落など、不適切行動や間違いを、根気よく指摘、修正していく必要があるのです。

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