ノルディックスキーのジャンプ競技のテレマーク、K点の意味や歴史

目次

ノルディック種目とは?

クロスカントリーやジャンプ、複合

ノルディックスキーはスキーの競技の呼び名です。ノルウェー、スウェーデン、フィンランドなどの北欧諸国で発展してきたスキー競技を指します。

これらの国は、地形や歴史的に、スキーを日常生活の中で使ったり、遊びで使ったりしていたそうです。

ノルディックスキーは、アルプス山地のあたりで派ってしたアルペンスキーに対して呼んでいるわけです。

ノルディックスキーの種目としては、クロスカントリースキー,ジャンプ,ノルディック複合があって、広義にとらえると、バイアスロンも入ってくるそうです。

冬の間、雪に閉ざされる北欧諸国が冬の間どのように暮らしてきたいか、そのことに思いをはせながらノルディック種目を見ると、なるほどと思う部分があると思います。

クロスカントリースキー

野山を自由に動き回るイメージ

北欧の諸国では険しい山岳がないそうです。そのかわり、丘陵が多く、雪におおわれた山野を滑走するスキーが発展してきたんですね。

そこで、競技として発達したのがクロスカントリーです。爪先だけを固定して踵が浮くスキーを使用します。

競技としては、アップダウンのあるコースを滑ってタイムを競います。競技コースは原則としては上りと平地、下りが3分の1ずつになるように造って競うそうです。

競技の方法としては、真っ直ぐにスキーを出して滑るクラシカルテクニックとスキーを逆ハの字にするスケーティングテクニックを取り入れたフリーの2種類があります。

距離としては1~1.5kmの距離を走ってトーナメントで優勝を争うスプリント、男子50km、女子3kmまでの各距離、2種類の走法の合計タイムで競うパシュート、リレーと多彩です。

スキージャンプ

ジャンプ台を造って遊んでいた歴史

この競技も、北欧諸国で冬の遊びとして発展したジャンプ技術から発展してきたものだと言われています。

競技としては、基本的に2回の試技と飛型点の合計の得点で順位を争います。

ジャンプ台の種類としては、以前は極限点であるK点までの距離によって5段階に区分されていました。

しかし、2004年頃に、各ジャンプ台ごとに安全に飛べる限界距離を設定し、それをヒルサイズ=HSと呼んで、ジャンプ台の規模もヒルサイズで表現することになりました。

ノルディック複合

キングオブスキーの称号

ノルディック種目である、クロスカントリーとジャンプの2つを組み合わせたものがノルディック複合=ノルディック・コンバインドです。

ノルディック複合は瞬発系の競技であるジャンプと、持久系の競技であるクロスカントリーの両方を行うので、その難度の高さから勝者をキングオブスキーと呼ぶそうです。

一般に競技は連続した2日間で実施します。個人戦の場合は初日にノーマルヒルの2回のジャンプ,2日目にクロスカントリースキーの 15km を行なうようです。

ルールは2とおりあり、グンダーセン方式とマススタート方式があり、オリンピックでは、グンダーセン方式が採用されます。

グンダーセン方式

前半にジャンプを行います。そのポイント差をタイムに換算して、後半のクロスカントリーで時間差でスタートします。

マススタート方式

クロスカントリーを行った後でジャンプを行います。クロスカントリーの1位からのタイム差で得点を出し、ジャンプの点と合計します。

ワールドカップでは、個人ラージヒル・グンダーセンを中心に行われているそうです。オリンピックでは、団体スプリント以外の3種目が行われています。

テレマークはノルウェーの地名のことだったんです

北欧のスポーツの伝統、ノルディックスキーの歴史が伝わってくる

よく、スキージャンプの解説を聞いていて、「テレマーク姿勢」が課題だとか、よく聞きますよね。

よくよく調べてみると、テレマーク(telemark)というスキーのスタイルからきているんですね。

それが、テレマーク地方が発祥と言うことでテレマークスキーと呼ばれ、その技術は今も受け継がれているというわけです。

テレマークの語源と歴史

ノルウェーのスキーの歴史が感じられる

1840年のころの話です。ノルウェーのオスロから西へ約270km,テレマーク地方のモルゲダールに住むノルトハイムは、斜面に着地するジャンプを試みていました。

それとともに、スキーの留め具を改良して体重の移動によるターンを可能にし、急斜面でも深い雪でも自由に滑り降りることができるようになりました。

また、68年には仲間らとクリスティアニアでその技術を披露し、片足を前に出して両膝を曲げた大半径のターンがテレマークの名でひろまりました。

アルペンスキーが主流になる以前は、このスキー術が最先端だったわけですね。今も、日本各地のゲレンデでテレマークスキーによるレースが開催されているそうです。

なぜテレマーク姿勢が要求されるのか

安全性と安定性のレベルを見せるため

テレマークスキーの伝統的な技術から受け継いだテレマーク姿勢。片足による美しい回転技術から生まれます。

ジャンプでは、着地する際に、両手を水平に広げ、両足を前後に開き、膝と足首を曲げながら着地の衝撃を和らげる形を作ります。

まず、ジャンプの着地にテレマーク姿勢が要求されるのは、この安定さと安全性を確保するという点から来ているんですね。

もちろん、衝撃吸収の点でも優れていますし、さらに着地の際にある程度の余裕がなければ、このテレマーク姿勢は作ることができないのです。

ようするに、着地の型の美しさが問題になっている訳ではなく、どれだけ高いレベルでスキージャンプを表現しているかなのでしょう。

K点を越えると勾配が変わる

飛べば飛ぶほど着地は難しい

じつは、ジャンプ台の設計上、基準点として、斜面の勾配が緩やかになる所が作られているのです。これが、K点です。

さらに、ヒルサイズという距離まで行くと、さらに、勾配が緩やかになり、もう、危険なレベルになってしまいます。

こうなると、テレマークを保つような余裕がなかなか持てなくなる、という状態が訪れるんですね。

着地でのテレマーク姿勢は高得点の必須条件

飛型点は飛型審判員5人が20点満点の減点法で採点します。そして、最高と最低を除いた3人の合計が得点となります。

テレマークは転倒寸前などの状況では姿勢を保つことができないのです。そういうふうにして、ただ長い距離を飛ぶだけでは勝てないようにしているんですね。

空中姿勢や着地の美しさも競技の中に含まれていると同時に、どれだけ余裕を持って競技を行っているかを争っていることでもあるのです。

スキーのジャンプ競技の歴史

少し怖い話が伝わるジャンプ

競技の発祥についてよく語られるのは、ノルウェーの王様が懲罰として始めたというものです。罰として飛ばされたわけですね。

今よく言われるのは、18世紀末のノルウェーのテレマーク地方で、農夫たちが冬季の移動中に丘などを越えるために行った小さなジャンプです。

そして、そのジャンプそのものを楽しむようになって、さらに、スポーツに発展していったというものですね。

罰として飛ばされたよりも、数段気持ちのいい話だと思います。

競技における技術の変遷

ただ飛ぶだけの種目からV字飛行へ

1860年代は空中でただ脚を曲げるだけでした。そして、1880年代には上体を伸ばした棒立ちでとぶようになります。

1920年初めには,空気抵抗を少なくするため,体を前傾させて飛ぶことが主流になり、札幌オリンピックや長野オリンピックを迎えます。

1988年に、現在主流である「V字飛行」をスウェーデンのヤン・ボークレブ選手が始めます。

その後,V字飛行の有利性が科学的に示されて、ルール変更によりV字飛行そのものが減点対象から外されたそうです。

競技の進め方について

1.得点の出し方

・飛距離点

両スキーが斜面に完全に接した時の地点までの距離で一足で着地したら先についた足の位置、テレマーク姿勢をとった場合は、両足の中間の位置で計ります。

得点計算は、K点を基準に60ポイントとし、あとはK点との距離に応じてポイントを加減していきます。

加減するポイント数は,K点が120mの場合は1mごとに1.8ポイント、K点が90mの場合は2.0ポイントになります。

・飛型点

5人の飛型審判員によって、踏切から着地,そして転倒ラインを超えるまでの空中姿勢をみて、1人20点満点で採点します。

5人中最高最低1名ずつの得点を除き、中間3名の得点合計が得点となります。なお、飛行で最大5点、着地で最大5点、着地後に最大7点(転倒時)の減点があります。

着地において「テレマーク」という足を前後に開く姿勢をとる必要があり、この姿勢をとらないと最低でも2点の減点があるそうです。

2.競技方式

・個人競技

1本目を終えた時点で飛型点・飛距離点を合計して、上位30人に絞ります。2本目は順位の低い順に行い、1本目の最高成績の者が、最終ジャンパーとなります。

団体競技

4人の選手の2本の合計で競われます。ただし、全員が同じ条件で競技をするのではありません。

4人を4組に分け、各組ごとにゲート位置などの設定が行われるんですね。個人競技のように成績による順番の変更もありません。

スキージャンプの用語を知っておこう

用語を知るだけでおもしろみが増す

シャンツェ

ドイツ語の「Schanze」でジャンプ台のことです。

アプローチ

スターティングゲートからカンテまでの助走路をいいます。

カンテ

アプローチの先端に位置する踏み切り台のことです。

サッツ

ジャンプの際の踏み切り動作のことです。「サッツを切る」などと使います。

ランディングバーン

選手がジャンプをした後着地する場所です。ランディングバーンの先の広いスペースはブレーキングゾーンといいます。

V字ジャンプ

スキーの先端を開いてVの字のようにした飛行フォームのことです。高い揚力が得られることから現在の飛行スタイルの主流になっています。

テレマーク姿勢

着地の際の足を前後に開き、腕を左右に開いた安定した姿勢です。この姿勢をとらないと飛型点が減点されます。

バッケンレコード

個々のジャンプ台がもつ最長不倒距離のことをいいます。

スタート

青のシグナルが点灯してから5秒以内にスタートしなければなりません。

風速とキャンセル

強風でのゲームのキャンセルに、風速何メートルという取り決めはありません。大会の競技役員が危険と判断した場合のみ、キャンセルになります。

トライアルジャンパー

各開催組織委員会では、ゲームごとに8名のトライアルジャンパーを準備しなければなりません。

K点はじつはドイツ語だったのです

ジャンプ台の設計における重要なポイントだそうです

簡単に言えば、K点とは、スキーのジャンプ競技におけるジャンプ台の建築基準点のことなんです。

ドイツ語で、建築基準点を意味する「Konstruktions punkt」に由来します。

このK点は、ジャンプ台を設計する上で必要な地点で、この点を基準に斜面の傾斜が緩やかになります。

ジャンプ台では、着地斜面に赤い線が引かれています。あれがK点です。ちなみに、その手前に青い線がありますが、あれは、P点といって、標準点を意味するそうです。

ただ、標準点を越えてもあまり意味がなく、K点を超えて初めて加算されるので、やはり、みなさん、K点越えに注目するわけですね。

ジャンプ台の高さによって変わるK点

得点とも大きく関わる、重要な距離ポイント

ジャンプ台の高さによってもK点までの距離は違ってきます。ノーマルヒルで90m、ラージヒルで120mを上限にしているそうです。

現在のルールでは、飛距離点を算出する基準として扱っています。そういう意味でも、基準点なんですね。まず、1回のジャンプでK点まで飛んだら60点加算されます。

さらに、それ以上飛んだ場合はノーマルヒルなら1mを越えるごとに2点、ラージヒルなら1.8点ずつが加算され、逆にK点を下回ると、点数が1mごとに減点されます。

もともとは極限点の意味だった

いまはK点で得点が変わる

現在は、飛距離をはかる基準点ですね。そう、ドイツ語の「Konstruktions punkt」でした。

日本のジャンプ台のK点

・ラージヒル

大倉山ジャンプ競技場 K-120m/HS-134m
白馬村ジャンプ競技場 K-120m/HS131m

・ノーマルヒル

宮の森ジャンプ競技場 K-90m/HS-100m
白馬村ジャンプ競技場 K-90m/HS-98m

・ジャンプ台のサイズ別分類

ジャンプ台の分類は、テイクオフの先端からL点(着地地点の終点)までの測定距離で決定されているそうです。
・スモールヒル K点20m L点49m
・ミディアムヒル K点50m L点84m
・ノーマルヒル K点85m L点109m
・ラージヒル K点110m L点184m
・フライングヒル K点185m以上

ジャンプ競技の得点算出法

ジャンプ台のことを知ると、おもしろくなる

ジャンプ競技は、いかに遠く、そして美しく飛ぶことができるかを争う種目です。

飛距離点は飛んだ距離、飛型点は空中でのフォームや着地のテレマーク姿勢の合計点で順位を決めるわけです。

飛距離点の算出方法

飛距離点は、そのジャンプ台のK点を基準に換算します。出し方は、先ほど説明したとおりです。

飛型点の採点方法

飛型点は、5人の審判員によって採点されます。審判員は、始めから終わりまでの選手の継続した動作の中で外見の正確性、完成度、安定性及び全体の印象から採点します。

飛型審判員5人は1人の選手に対し、20点満点の減点法で採点します。そして、最高と最低を除いた3人の合計が得点となります。

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