チーズの種類と各地の代表的なチーズ、チーズフォンデュに使うチーズ

目次

チーズが作り出す豊かな家庭食

人類が作り出した食の文化遺産としてのチーズ

おいしいものをいくつか挙げてみましょう。そのなかには、きっと、チーズが関係するものがあるのではないでしょうか。

チーズグラタン、ピザ、チーズケーキ。単純に、チーズを使っているものもあれば、チーズを味付けに使っているものもありますね。

チーズをプラスするだけでおいしさが何倍にも広がる、そういった「食」を豊かにする力がチーズにはあるようです。

チーズはいつ頃から作られてきたのか

チーズが生まれたころの話がおもしろい

チーズの言い伝え

むかしの話です。アラビアの商人が果てしもなく広がる砂漠を越える長旅に出ました。らくだの背には、羊の胃袋で作った水筒に乳を入れてくくりつけたそうです。

さて、暑い砂漠を歩き、疲れたので乳でのどを潤そうと水筒をあけてみました。すると、そこには乳はなく、白い塊と透明な液体が出てきたんですね。

おそるおそる食べてみるとこれがとてもおいしかった。これはチーズの誕生の伝説になっているそうです。

この白い塊と透明な液体は、現在のチーズ製造にも使われます。白い塊は凝乳でカードといいます。

乳が自然の乳酸菌と子羊の胃袋に含まれる凝乳酵素=レンネットの作用によって固まったもので、透明の液体は乳清=ホエイとよばれ、凝乳から排出された液体なんです。

世界のそれぞれに伝わるチーズ誕生の話

歴史とともに味も伝わる

1.イタリア

西ヨーロッパで初めてチーズが作られたのは、イタリアだと考えられているそうです。紀元前1000年頃、高度なギリシャ文明を持つエトルリア人によって、北イタリアのロンバルディア地方に伝えられたという説が最も有力だそうです。

そこで、牛の乳を使ったパルミジャーノ・レッジャーノやゴルゴンゾーラなどの原型になったチーズが作られていたんですね。

さらに、アルプスを源流とするポー川流域では水牛の乳から作るモッツァレラが生まれたといわれています。

イタリア南部は岩場が多く耕地が少ないため、山羊や羊の乳を主体としたチーズ作りが行われてきたそうです。

そして、イタリア最古のチーズ、ペコリーノ・ロマーノが羊乳から作られる超硬質チーズとして有名です。

2.フランス

フランスのチーズの歴史は、ローマ軍がアルプスを越えてガリアを征服したことから始まったそうです。

ローマは征服した地域にローマ文化を導入することに力を入れました。そのためにチーズやワインを作る技術もガリア人に伝授されたそうです。

フランスで最も歴史の古いチーズは、ロックフォールとカンタルと言われますが、どちらも約2000年の歴史をもっているそうです。

ロックフォールは、中世に入るとチーズの王様と呼ばれるほど有名になったそうです。

3.その他

今から1世紀ほど前までは、ヨーロッパの国々ではチーズ作りは主婦の重要な仕事のひとつと考えられていたんですね。

エメンタールのような大型のチーズ作りは男性が行っていましたが、屋内でできる小型のチーズ作りは女性の仕事として、伝えられてきました。

フランスのチーズの中でもひときわ有名なカマンベールを作ったのは、ノルマンディ地方のカマンベール村の主婦だったそうです。

また、世界3大青カビチーズのひとつである、イギリス産のスチルトン。また、デンマークで最も古いチーズであるハバーティ。どちらも農家の主婦が作り出したものです。

数千年の歴史を持つチーズですが、これらはヨーロッパ各地の庶民たちの手によって次々と生み出され、長い間伝統的な製法が守られてきたんですね。

ヨーロッパの人々にとっては、チーズはまさに生活に欠くことのできない存在になっていったわけです。

日本におけるチーズの歴史

西アジアから伝わったチーズ製法

西アジアで早くからチーズ文化が生まれて、盛んになっていました。そのこともあって、日本のチーズの歴史も意外と古いんですね。

モンゴルのチーズ「ウルム」に似た「正蘇」という乳製品に関する記録が、650年頃の『涅槃経』や『右官史記』という古文書、奈良の平城京宮遺跡、長屋親王邸跡から発見されているそうです、

この「蘇」の作り方は、6世紀頃に伝来した仏教とともに、中国や朝鮮からの使節や酪農技術を身につけた渡来民によって伝来したものだといわれています。

「蘇」は、平安時代には不老長寿や強精に効くと考えられていました。したがって、貴重な食品として貴族階級で独占されていたみたいです。

日本でのチーズ製造

日本での本格的なチーズ作りは、明治8年です。北海道開拓庁の七重勧業試験場と呼ばれる場所で練乳とチーズを試作したのが最初だと言われています。

ヨーロッパと違うのは、チーズを作る家庭文化は日本にはなかったと言うことです。したがって、チーズの製造は、結果として、牛乳を売る企業に依存することになっていったわけです。

近年はチーズを作る工房が各地に作られ、より、質の高いチーズを作ろうと日々頑張ってくれています。

和食にはチーズは合わない

日本人が和食を中心に食べているうちは、なかなかチーズも普及しなかったようです。

しかし、戦後、洋食が次第に普及し、ピザやグラタン、パスタといったヨーロッパ発祥の料理が作られるにしたがって、チーズの消費は飛躍的に伸びていったそうです。

チーズが豊かにしてくれる食生活

ケーキや酒の肴に、もてはやされるチーズ

チーズを使っている食べ物、どんなものを思い浮かべますか。チーズグラタン、ピザ、チーズフォンデュなど。

チーズケーキやチーズの入ったお菓子、そして、チーズそのものをお菓子やお酒の肴に食べてみたりと、チーズは至る所で活躍していますね。

そんなチーズですが、いろいろな種類が出回っています。それは、作り方や熟成の方法、そして、カビなどのチーズづくりの過程で必要なものによってさまざまです。

現在市場に出回っているチーズは、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、チーズフードの3つのグループに分けることができるそうです。

普通に作られたチーズは全てナチュラルチーズ

ナチュラルチーズは1000種類以上

ナチュラルチーズは、牛や山羊などの生乳を乳酸菌や凝乳酵素で凝固させて、そこからホエイと呼ばれる乳清の一部を除去したものです。

さらに、これを熟成させることで、熟成タイプと非熟成タイプに分けられます。

原料となる乳の種類や、使用する微生物、さらに加工方法などによって、世界中では1000種類以上のナチュラルチーズがあるといわれているんですね。

また、このナチュラルチーズは、フレッシュタイプ、白カビタイプ、青カビタイプ、ウォッシュタイプ、シェーブルタイプ、セミハードタイプ、ハードタイプに分類されるそうです。

熟成の過程では、乳酸菌や凝乳酵素の働きによって熟成が進むので、時間が経過するほどに味の変化が楽しめるわけです。

チーズの定義とは?

世界的にはナチュラルチーズの定義は決まっている

FAO(食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)によるチーズの定義によれば、次のようになっています。

・チーズとは、フレッシュ又は熟成した、固形又は半固形の製品であり、下記のいずれかに基づき製造されたものをいう。

(a)レンネット又はその他適当な凝固剤の作用により、乳、脱脂乳、部分脱脂乳、クリーム、ホエイクリーム、バターミルク又はこれらのどんな混合物であっても、 それらを凝固させ、この凝固物より分離するホエイを部分的に流出せしめることで得られるもの。

(b)乳及び、または乳から得られる原料を用い、凝固を引き起こす加工技術により(a)に限定されている製品と同じ化学的、物理的、官能的な特徴をもつ最終的な製品。』

チーズのジャンルわけ

さらに、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、チーズフードというジャンルわけも決まっています。

・ナチュラルチーズ

上記のチーズに適宜された方法で作った製品のことを言いますが、若干の添加物は法律で定められています。

・プロセスチーズ

ナチュラルチーズを乳化剤などを加えて加熱して溶かします。そして、再び成形したものになります。

製造工程の途中の加熱処理によって、乳酸菌は死滅しているため、保存中に熟成が進むことがありません。したがって、ナチュラルチーズに比べて保存性に優れています。

・チーズフード

ナチュラルチーズ又はプロセスチーズを粉砕し、混合し、加熱溶融し、乳化してつくられるものをいいます。製品中のチーズ分の重量が51%以上必要です。

他に若干の添加物が決められています。

チーズの旨みを作り出す熟成

フレッシュタイプ以外はそれぞれ独自の熟成過程

ナチュラルチーズは、生乳に乳酸菌や凝乳酵素、いわゆるレンネットを加えて乳を固めることで作られたものです。

このとき、乳酸菌や酵素はできあがったナチュラルチーズの中でも生き続けているんですね。

熟成とはこの乳酸菌や酵素に、カビのはたらきなどもプラスして、乳のたんぱく質や脂肪などを分解し、さまざまなチーズの個性的な風味を作り出すことなんです。

この熟成こそが、それぞれのナチュラルチーズの製造工程の中で最も重要ともいえるでしょう。

みているだけで美味しそうなとろけたチーズを絡めるフォンデュ

語源は、「とかしたチーズ」という意味の言葉そのままだそうです

フォンデュというのは「とけた」という意味だそうです。チーズフォンデュはとかしたチーズという意味になるわけです。

チーズフォンデュは、ヨーロッパの寒い山岳地方に昔から伝わる郷土料理です。メインディッシュとして食べられています。

日本でいうところの鍋料理のようなものです。各家庭ごとにチーズフォンデュ鍋セットが揃っているのが普通です。それほど親しまれている家庭料理なんですね。

山岳地帯の保存食としてのチーズ

ヨーロッパのアルプスなどの山岳地帯は、冬になると雪に閉ざされてしまいます。そこで、夏から秋のうちにチーズを仕込んでおき、長い冬の間の貴重な保存食としていたんですね。

それぞれの地方独自のチーズが作られていきます。スイスのグリエールやエメンタール、ラクレット、イタリアのフォンティナ、フランスのコンテやボーフォールなどです。

これらの山でつくられたチーズはすべて、冬を越すための大事な食料だったんですね。それを溶かして、アツアツの鍋にして楽しむのが、チーズフォンデュなんです。

地方によって少しずつ違う味

ヨーロッパの冬を暖かいものにしてくれる

チーズフォンデュにはスイス風、イタリア風など、その土地ごとのレシピがあるんですね。そのオリジナリティ豊かなところが実はチーズフォンデュの魅力なんです。

そこで使うチーズは各地方、各家庭によって違うわけで、手作りならではのおいしさにあふれたものになっているわけです。

グリエールチーズとエメンタールチーズのハーモニー

地方によって材料には多少の変化もありますが,主材料のチーズは、だいたい同じような使い方をするようです。

まず、脂肪分が多くて粘りや味の強いグリエールチーズと、溶けやすく味のやや淡泊なエメンタールチーズを混ぜて使うことが多いみたいです。

使うなべは,フォンデュ専用のものがあります。しかし、土なべなどの厚手のものなら代用できます。

それでは、チーズフォンデュに用いる2種類のチーズについてです。

グリエールチーズ

スイスのグリュイエール地方のチーズ

エメンタールチーズと同じ、スイスで生まれたチーズです。ふるさとはグリュイエール地方です。より正しい発音で書けばグリュイエールとなります。

直径が40センチ、重さが40キロ前後の巨大な円盤状に形成します。1個のチーズを作るのに、400~500リットルの牛乳が必要だそうです。

ナッツのような旨味

熟成期間はとても長いのですが、グリエールチーズは味にくせがなく、チーズが苦手な人でも食べやすいみたいです。

若いときは乳白色だった色が熟成が進むにつれてだんだんと黄色味が強くなっていきます。熱を加えると旨味がより増すので、グラタンやキッシュ、グラタンスープなどに用いられます。

しかし、グリエールチーズの料理の中で一番有名なのは、何といってもチーズフォンデュですね。

エメンタールと一緒に熱を加えて溶けたところをお好みの野菜やフランスパンにつけて食べる。これがもっとも美味しい食べ方かもしれません。

観光でも有名なグリュイエール

グリエールの駅前にレストランが併設されたチーズ工場があります。大人から子供まで楽しみながらチーズ作りを見学することができるようになっているそうです。

また、お城や別の場所には、昔ながらのチーズ工房があって、世界中から観光客が訪れているそうです。

さらに、村の色々な所で名物のチーズフォンデュを食べることができます。

エメンタールチーズ

スイスのエメンタール地方のチーズ

エメンタールもスイスの代表的なチーズとして知られていますね。大きく重量のあるものが多いハードタイプのチーズの中でも、このエメンタールは格別です。

ひとかたまりが100kg前後もあり、世界のさまざまな種類のチーズの中でも特に大きいものになるそうです。

チーズアイが目印

もう一つ見た目に大変わかりやすい特徴があります。それは、直径1~数センチほどの丸く大きな穴がたくさんあいているんです。

この穴は「チーズアイ」と呼ばれていて、長期間熟成する間に、炭酸ガスが発生するためにできる穴だそうです。

味は非常に淡白でマイルドな口当たりをしてます。ヨーロッパでも非常に一般的なチーズであり、チーズ大国スイスのチーズ輸出量の半分以上を占めているそうです。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク