陶器と磁器と陶磁器の違い、歴史と素材の原料、焼く温度と作り方

生活を彩る焼き物の世界

味わいのある食器で暮らしに深みを

陶磁器とまとめて呼ぶこともありますが、陶器と磁器って、結構違うものなんです。それぞれの味があって、どちらがいいとか言うものではないですね。

結局、好みの問題だと思いますが、それぞれの焼き物の歴史や作られた背景を知ると、また、格別だと思います。

一度、自分のキッチンの食器棚を見て、それぞれの食器は、陶器、磁器、それとも他の物なのか確かめてみたいものですね。

陶器は粘土を焼いたものが始まり

陶器はいわゆる土を焼いたもの

陶器は陶土という粘土を練って型にして焼いたものです。特徴としては、若干吸水性があるので、保管する際には充分な乾燥が必要だということです。

また、陶器を使うと、食べ物などが熱しにくく冷めにくいという特徴があります。

陶器は光に透かしてみても光は通しません。叩くと鈍く低い音を出し、持つと素朴な手触りがあります。

陶器は吸水性があるので、ずっと水分が入っている状態はあまり好ましいとは言えません。例えば醤油など色のあるものを入れたままにしていると色が付いてしまいます。

同じ理由で、洗剤の中に長時間漬けたり熱湯で洗うと腐食の原因になってしまうそうです。

焼くときの温度は800~1250℃だそうです。

陶石という岩石が磁器になる

溶かして固める作業

磁器は、陶石という岩石を粉にして、それに粘りを付けるため粘土を混ぜ、それを高温で溶かして固めて作るんだそうです。

磁器は水分を弾きます。そして、熱しやすく冷めやすいという特徴があるんですね。

磁器は光に透かすと光を通してみえるのも特徴です。いわば、透明なガラスのような成分がかなり含まれているわけです。

叩くと金属的な高い音がして、手触りもつるっとしていますし、色も純白です。比較的丈夫ですが、衝撃によって欠けやすいんですね。

焼くときの温度は1200~1400℃で、陶器を焼くときよりもかなり高いそうです。

焼き物を美しく仕上げて、強くする

釉薬が作り出す美

陶器も磁器も土を焼いただけでは、味気ないただの土器と変わりません。そこに、命を吹き込むのが、釉薬なんです

釉薬は、粘土や陶土を成型してから、表面にかける薬品のことです。うわぐすりとも呼ばれます。

この、釉薬そのものが、焼くことでガラス状になって焼き物の表面をしっかりとコーティングしてくれます。

その過程で起こるさまざまな変化も焼き物の美しさとして評価されることになります。

焼き物の歴史を少し知ろう

暮らしに欠かせない食器が生まれた背景

1.土器

縄文土器とか弥生式土器などがルーツです。と言う名を勉強しました。土を乾かして、焼くという作業はその後の焼き物と基本変わりません。

ただ、大きな違いが焼成温度なんですね。土器の時代には現在のような窯ではなく、野焼で温度は700~800℃程度だったそうです。

また、釉薬を施すという技術もなかったので、その時代の土器は水の漏れてしまうものだったわけです、.

2.土師器、須恵器、瓦器

土師器=はじきは古墳時代より後に作られた素焼の土器のことを言います。基本、弥生式の土器と同じようなレベルです。

須恵器=すえきは朝鮮半島から5世紀中ごろに伝わった技術で、1000℃を越える高温で還元炎で焼成された灰色や灰黒色の焼き物です。

轆轤=ろくろの使用による素焼土器で、杯や碗などの焼き物が多く作られています。この技術を継承した焼き物産地が今も多くあります。

瓦器=がきは土師器の流れをくむ焼き物で土師器に比べて保水性が高くなっています。平安時代後期から室町時代に使われていたそうです。

3.陶器

朝鮮半島から伝わった窯の技術のおかげで、1100℃~1200℃という高い温度で焼成できるようになったんです。

その結果、土器よりも硬く焼き締めた陶器と呼ばれる焼き物が誕生します。陶器は釉薬を施さなければ、吸水性があり、生地の中には無数の小さな空気が含まれているそうです。
それによって、保温性に優れていて、温度が伝わりにくく、焼き物の器の中にある物の温度が下がりにくいのです。

4.磁器

磁器は原料に陶石・長石・珪石・カオリンなどを使用し、生地は基本的に白、ほぼ光を透過します。

陶器より高い1300℃前後で焼成されるので、陶器と比べ強度がありますが、熱を伝え安く保温の面では陶器に劣ることになります。

5.炻器(せっき)

半磁器などと言われ、信楽焼や備前焼、常滑焼の朱泥の急須、またウェジウッドのジャスパーウェアなどが、炻器にあたります。

アルカリや鉄分の多い粘土を原料にし、1200℃~1300℃の高温で長時間焼成するので、陶器に比べて固い仕上がりになり、たたくと、硬く澄んでいる音がします。

6.ボーンチャイナ

骨灰磁器などと言われ、牛の骨の灰=ボーンアッシュを加えて酸化炎で焼成することで柔らかい白に焼きあがっています。

一般の磁器に比較して低い温度で焼成するので、使用出来る顔料が多く、はなやかな絵柄が特徴です。

表面が柔らかく、ナイフやフォークなどで傷が付きやすいうえ、急激な温度変化に弱いのが欠点です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする