覚醒剤と麻薬の違い、薬物の成分と生まれた歴史、使用で恐ろしいことに

覚醒剤の歴史

覚醒剤の誕生

明治18年に日本人の長井長義博士が、麻黄という漢方薬からエフェドリンという成分を抽出することに成功し、さらに合成にも成功したんです。

博士は病気を治す特定の薬を開発しようとしたのではなく、研究の結果発見されたのであって、それが、覚醒アミンの一種であるとはわからなかったのでしょう。。

これが気管支喘息などの咳止めに効くことが解ったのは40年後で、それからエフェドリンは喘息や咳の薬として使われたのです。

アメリカでの広がり

昭和8年に、ドイツでエフェドリンの誘導体としてアンフェタミンが開発されます。それが明治20年にアメリカで咳止めの特効薬として販売されたのです。

すると、アンフェタミンには眠気が無くなる、疲れがとれるといった別の強い薬効があったせいで、疲労回復薬や、やせ薬として乱用されることになります。

アンフェタミンは強烈な精神依存を持っていたので、中毒による死者や精神病患者が続出しました。その結果、アンフェタミンは危険な薬として、処方制限されます。

1919年に強力で製造が容易なメタンフェタミンが日本で開発されます。結晶状の粉末で水にとけ、注射での使用ができたのです。

戦争に利用された覚醒剤

メタンフェタミンは、第二次世界大戦中に広範囲に使われました。兵士たちを常に覚醒させておく目的で使用されたのです。

日本では、自爆作戦の前にヒロポンと名付けられたメタンフェタミンを大量に与えられタコとはあまりにも有名です。

戦後の覚醒剤乱用期

そして、戦後になって軍用のヒロポンが一般の市民に出回り、注射によるメタンフェタミンの乱用が伝染病のような勢いで広まったわけです。

さらに、1950年代になると、メタンフェタミンは簡単に入手できるようになり、大学生やタクシー、トラックの運転手など、夜更かしをする人々が興奮剤として使いました。

注射1本、錠剤1錠で、すぐに元気になり勇気が湧くとうたわれたこの薬物は、1954年のピーク時には、検挙者数は約5万6千人にも達したそうです。

覚醒剤取締法の改正

この覚醒剤乱用は大きな社会問題となって、1954年と1955年に取り締まりの強化を目的に、覚醒剤取締法の改正が行われたそうです。

この対策によって覚醒剤の乱用は一時おさまったのですが、1970年代に乱用者の検挙者数が再び増えました。

1984年の検挙者数2万4千人をピークに、年間の検挙者数が2万人台の時期が1996年まで続いたそうです。

近年は海外からの大量の覚醒剤が流入し、暴力団絡みの密売組織や、来日外国人の密売組織の暗躍が、覚醒剤乱用の広がりに拍車をかけていると言われています。

覚醒剤の成分

人工合成された化学物質

日本で乱用されている覚醒剤のほとんどがメタンフェタミンという物質で、白い結晶粉末で水にとけます。

メタンフェタミンは、人工の化学物質で、密造工場でさまざまなタイプのアンフェタミンやそれに類する化合物を用いて製造されます。

メタンフェタミン1kgを製造すると5kgの廃棄物が出るといわれていて、この廃棄物にさらされると、身体が汚染されて、病気になってしまいます。

覚醒剤中毒とは

短期的な影響

覚醒剤をつかうと、脳がまちがって充実感や活力があると感じるので、使用者は自分の身体に限界以上の過剰な動きをさせてしまいます。

そのあと、薬物の効き目がなくなると、ひどい脱力感を感じることになります。結果として、身体的、精神的に衰弱してしまうのです。

中期的な影響

この薬物を使用によって、空腹感が感じられなくなり、体重が極端に減少します。さらに睡眠パターンが崩れ、多動、吐き気、誇大妄想、神経過敏などが起こります。

また、不眠、混乱、幻覚、不安、被害妄想に加えて、攻撃性が増すといった変化が起こり、ひきつけを起こしたり、最悪、死に至ります。

長期的な影響

覚醒剤を長期的に使用すると、回復不能な損傷が引き起こされることになります。心拍数や血圧の上昇によって、脳の血管が傷つき、脳卒中や不整脈を起こします。

心臓血管系の破壊から死亡したり、肝臓や腎臓、肺などの損傷が起こります。

さらに、脳にダメージを受け、記憶力の低下や抽象的な考えができなくなります。回復しても、記憶に空白ができ、極端に躁うつになったりすることがとても多いといわれています。

覚醒剤の使用で起こる現象

使用者が経験する7つの段階

1.ラッシュ

覚醒剤を注射した時に、乱用者が最初に感じる快感です。ラッシュは30分間も持続することがあります。

2.ハイ

攻撃的で鋭敏になったように感じ、薬物の作用で妄想しがちになり、何時間も同じことに過度に集中します。ハイの状態は4時間から16時間持続します。

3.酩酊状態

薬物の使用をコントロールできなくなった状態で、覚醒剤に対する衝動を抑えられなくなります。酩酊状態は3日から15日間も続くことがあります。

4.禁断症状

猛烈な空虚感と薬物への渇望を軽減することができず、自己の感覚を失います。強烈なかゆみを感じ、現実世界から遮断され、危険な存在になり、自傷の危険性も高くなります。

5.破綻

体が薬物の作用にそれ以上対応できずに長時間眠り続けます。生気がなくなり、破綻の状態は1日から3日間続きます。

6.脱力感

破綻の後、衰弱や飢え、脱水、また完全に消耗した状態に戻ります。通常この状態は2日から14日間ほど続きます。

7.離脱反応

薬物を使用して大体30日から90日後、離脱反応を経験します。憂うつになり、覚醒剤への渇望がますます起こり、しばしば自殺を試みるようになります。

覚醒剤の離脱は極度の苦痛を伴います。そのため、ほとんどの乱用者がまた薬物に戻ってしまうのです。従来の治療では93パーセントが覚醒剤の乱用に戻るそうです。

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