母から、どんなことを言われたか、というと、
「はじめから、ないもんやと思いなさい」
給与収入というのは、限られています。
そして、そこからいろんなお金が引かれていくわけです。
ところが、母親は、こういうんですね。
なくなったんじゃなくて、
最初からないものだと思っておくのがいいと。
母親は、父親の稼ぎだけではきついので、
パートに出たり、40過ぎてから正社員になって勤めました。
しかし、その稼ぎはほとんど子供の教育費で
消えてしまいます。
そんな時、この言葉をよく使っていました。
また、光熱費、ローン、保険、年金の掛け金など、
絶対必要なお金ってありますね。
それらがいくらで、給与から引かれた、
というのは事実なんですが、
現実には、今あるお金は
差し引かれた後のお金です。
もともと、そのお金しか
なかったと思えば、やりくりがしんどくない。
戦後の苦労を乗り越えた親ですから、
きっと、切り詰めた生活を続けてきたはずです。
そんな母親が、生活していく上で
いつも心のなかで、自分を励ましてきたんでしょう。
子供の教育資金として、天引きの財形貯蓄は
助かりました。
でも、もともと、給料の一部だったはずなのに、
財形貯蓄は天引きされるので、
はじめからないものだったわけです。
そして、何年かたって、子供の教育資金として
必要な時に、出してきたら、
本当、もう買った気になりました。
もうそれこそ、感じ方の問題かもしれませんが、
そう言ったことの積み上げで、
暮らしの豊かさも少しは改善されるかなと思います。