「一番上手くいった時が自分の実力だと勘違いしていないか。ピークで発揮できた力は、あくまでも一瞬のもので、長続きはしないんだ。ダメな時も含めて、平均を取れば、それが現実的な自分の実力ということだと思うと、いい時も悪い時も平均からの揺れ幅だということになって、やる気も持続できるぞ。」
スポーツでよく言われるんですけど、いいプレーをたくさんできるようになろうと思うより、全体のプレーの完成度を上げていく方が結果としてうまくいく、ということがあります。
ダメな部分を減らして、ほどほどの出来のものを増やしていくと、平均値が上がっていきます。
その中で、確率的に、いいものも生まれることが増えていく、というパターンですね。
商売でも、営業でも、全部うまくいくなんてことはないと思った方がいいですね。
うまくいかないことだってあるのは、相手があっての話だから当たり前なんです。
そして、自分が人間だから、当然失敗もします。
でも、その失敗が取り返しのつかないレベルか、補いのつくレベルかで、大きく結果が変わる、そんなものでしょうか。
たくさん繰り返すうちに、全体のレベルが上がり、平均値が上昇することで、成功の確率も上がっていきます。
剣豪宮本武蔵の五輪書にこんな言葉があります。
「千日の稽古をもって鍛となし、万日の稽古をもって錬となす。」
剣術の訓練が、今の時代に全て当てはまるものではないにせよ、真髄の部分では通じるものがあると思います。
鍛錬をする目的は、結局、自分自身をレベルアップすることであって、その結果として成功、という結果も得られるというふうにとらえてみたらいかがでしょうか。