注目される元気物質セロトニン
現代人はセロトニンが不足しやすい
セロトニンは腸や血液から分泌されますが、脳からも約5%分泌されているそうです。そして、このセロトニンが、心身にさまざまなよい効果をもたらしているんです。
まず、セロトニンは、精神の安定や睡眠に深く関わっています。セロトニンが不足すると、思考がネガティブになったり、内臓の働きが低下したりするのです。
現代人は、普通に生活していると、セロトニンが不足しやすいと言われています。そのため、心身の安定のためにはセロトニンが不足しないような工夫が重要なんです。
セロトニンが不足すると生じる症状
この不調、セロトニン不足かも知れない
・ストレスに対して弱い
セロトニンが不足すると、ネガティブな思考になったり、姿勢が悪くなったりします。また、ストレスの影響を受けやすくなるといわれています。
セロトニン不足によって、大脳皮質が過剰に働いてしまい、ストレス反応が大きくなるためだそうです。
すると、ストレスに対して衝動的になったり、悲観的になったりと、精神が不安定になり、うつ病やパニック障害、自律神経失調症などを引き起こしてしまうわけです。
・疲れやすく、姿勢も悪い
また、セロトニン不足によって、脳の前頭前野の働きが低下し、無気力、無関心などの疲労症状を感じやすくなるそうです。
その結果、体を支える筋肉が弱って姿勢が悪くなっていきます。慢性疲労症候群もセロトニン神経の障害が原因だといわれています。
・寝不足や不眠
さらに、セロトニン不足によって、睡眠ホルモンのメラトニンが十分に生成されず、メラトニン不足で不眠に陥りやすくなるそうです。
セロトニンが果たす役割
見逃せない、セロトニンの効果
セロトニンは、腸に約90%、血液中に約5%、脳に約5%あって、そのうち、脳にあるセロトニンが気分の安定や睡眠に影響を与えます。
脳でのセロトニンの役割
感情や記憶をコントロールする大脳辺縁系にセロトニンが伝達されると、不安や恐怖感が抑えられて、精神が落ち着いたり、痛みが和らいだりするのです。
1.覚醒作用
セロトニンは朝が近づくにつれて徐々に放出されます。太陽の光が網膜に入ると、セロトニン神経が刺激されて、セロトニンの分泌が活性化するのです。
2.ネガティブな気分を解消
過度なストレスが、大脳辺縁系に影響をあたえています。衝動的になったり、悲観的になったりするのはそのためです。
セロトニンの分泌が増えると、大脳辺縁系の活動が安定するので、適度にリラックスした平常な状態にもどります。
3.姿勢がよくなる
セロトニンが運動神経を刺激すると、立位を保つ筋肉が刺激されます。すると、首筋、背骨の周囲、下肢の筋肉、まぶたや顔の筋肉なども刺激され、姿勢がよくなって表情もよくなります。
4.痛みを和らげる
痛みは、大脳皮質の体性感覚野という部分で刺激を受け取ります。感知しています。セロトニンが痛みを伝達する痛覚伝導路を抑制するので痛みが緩和されるのです。
5.睡眠の改善
日中に分泌されたセロトニンは、夜になると睡眠ホルモンである、メラトニンになるそうです。セロトニンの分泌が十分だと、快眠につながるわけです。
セロトニンを多く分泌させる
生活習慣を変えることで可能になる
1.太陽の光をたくさん浴びる
1日のうち30分、太陽の光を浴びるだけで効果があると言われています。朝起きたら、カーテンを開けて太陽の光を部屋に取り込むだけでも効果があるそうです。
2.リズム運動
同じ動きを繰り返し行うリズム運動が、脳のセロトニン神経を刺激するといわれています。カラオケや腹式呼吸などもリズム運動として効果的だそうです。
3.ウォーキング
一定のリズムで筋肉の緊張と弛緩を繰り返します。すると、セロトニンが放出されやすいといわれています。毎日30分程度、疲れすぎないように行います。
4.カラオケ
歌を歌う行為は、リズム運動のひとつです。セロトニンの分泌には一人で集中して歌うことができるひとりカラオケがいいそうです。
5.咀嚼
食事での咀嚼もリズム運動のひとつなんですね。ガムを噛んで顎を動かすことでもセロトニンの分泌につながるそうです。
6.呼吸法
セロトニンを増やす呼吸法があるそうです。丹田呼吸法といって、へそから指4本分下にある臍下丹田に意識を集中し、ゆっくり呼吸をする方法だそうです。